ニッタカリー

主に福岡のB級グルメを紹介していきます

セイロン(福岡市中央区大名)

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餃子屋弐ノ弐大名店のある通りにある、スリランカカレー店セイロンスリランカカレープレートです。

 

カウンターとテーブルとがあり、一人でも入りやすいお店でした。

 

 

スリランカ人の店員さんが、それぞれが何のカレーであるかをひとつひとつ丁寧に説明してくださいましたが、最後に「全部を混ぜてから、ルーをかけて食べるのがオススメです。」とおっしゃいました。

 

「郷に入れば郷に従え (when in Rome, do as the Romans do)」ということで、最初から言われた通りに全体を混ぜて、その後にルーをかけて食べました。

 

 

結論から言うと、かなり美味しかったです。ルー単体は結構辛く感じたのですが、その中にもきちんと旨味とスパイスの香りとがあり、さらに各々の素材と合わさることで辛さが和らぎ、逆に旨味は増しているように感じました。

 

ひとつひとつのカレーももちろん、それ単体で十分美味しいのですが、全てが混ざることによって味が完成するこのタイプのカレーのことを、いつも不思議に思っていました。

 

実は、このカレーを食べる前までは、ひとつひとつのカレーを最終的に混ぜて食べるという南インド系のミールスのような形態のカレーに対して、自分はあまり良い印象を抱いてはいませんでした。

なぜかといえば、数種類の別々の料理を混ぜ合わせることによってのみ完成するというような料理は日本食には類を見ず、それゆえ南インド系のカレーは日本食の感性と相容れない料理であると考えていたからです。

 

しかし、結局その心配は杞憂に終わりました。一口、二口と食べ進めていくうちに、今まで南インド系のカレーを敬遠してしまっていたことをすごく後悔しました。やはり、「全て混ぜる」という行為には、南インドの料理にとって重要な意味があるのです。

日本食には日本食の正しさがあるように、南インド料理には南インド料理の正しさがあり、一方から見て他方が間違っていると指摘できるようなことではないのだと痛感しました。知らず識らずのうちに自分は、日本食の世界観という狭い狭い檻の中で、囚われの身となってしまっていたのです。知らず識らずのうちに自分は、日本食唯一神として信奉している日本食原理主義者になってしまっていたのです。

日本食原理主義という恐ろしい思想を無自覚に受容していた自分は、南インド系のカレーにおける「全て混ぜる」という行為をこれまで、ご飯、味噌汁、生姜焼き、冷奴、煮物というすでに完成している日本食の献立をわざわざ一緒くたにして混ぜる、冒涜のような行為であると誤解していました。

しかし、もちろんそんなはずはなく、南インド系のカレーにおける「全て混ぜる」という行為は、勝利(カレーの完成)という共通の目的を持った個々の選手ら(プレート上の個々のカレー)が、その目的の達成に必要不可欠なチームワークを引き出すための監督の戦術・指示に他ならないのです。

この認識に齟齬がある自信しかありませんが、南インド料理における「全て混ぜる」という行為は、そのチームの勝利を引き出すための、唯一にして絶対の戦術なのです。

 

やはり、たまには自分と異なる価値観に触れて、自分の価値観を相対化してアップデートしていかなければならないのでしょう。このカレーを食べていなければ、言わば自分のOSはWindows 7のままで、ゆくゆくはサポートが終了して路頭に迷っていたことでしょう。

 

 

・・・と、訳のわからないことを延々と書いてしまいましたが、結局自分が伝えたかったことは、(少数派だとは思いますが)自分のように南インド系のカレーにあまり良い印象を抱いていないという人は、騙されたと思って是非一度食べてみてほしい、ということに尽きます。一口食べれば、その先にはあなたがまだ知らない南インドの果てしない世界が広がっているのです。

 

スリランカカレープレートの話がぼやけてしまいましたが、とても美味しかったです。辛いのはちょっと…という方は、もうひとつのメニューであるマイルドなココナッツカレープレートが合うと思います。

写真はありませんがマンゴーラッシーも果実感があって美味しかったですし、スリランカの家庭料理のメニューも充実していました。

 

 

店名:セイロン

 

住所:福岡県福岡市中央区大名1-13-12 大名ことうビル 1F

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